【ライブレポート】ジュリアナの祟りに研ナオコの娘HITOMIがサポートメンバーとして加入

ポスト

ジュリアナの祟り(a.k.a.エナツの祟り)が1月9日にワンマンライブ<July and 夏をやり直そうか!FINAL ~ギラギラな江夏の呪いもやり直そうか~>を新宿BLAZEにて開催した。到着したライブレポートをお届けする。

◆ライブ写真

2021年6月、LINE CUBE SHIBUYAでのワンマンライブで「ジュリアナの祟り」というかつての名前を取り戻し、『July and 夏(ジュリアナ)をやり直そうか!』というタイトルでゆかりのあるライブハウスをまわるツアーを発表。あれから半年が経ち、ファイナルとなる新宿BLAZEワンマンライブが江夏亜祐(Dr.)の誕生日でもある1月9日に開催された。

新宿は江夏が育った街でもあり、新宿BLAZEはかつてワンマンライブを開催したものの、チケットを売り切ることができず悔しい思いをした因縁の場所でもある。

コロナの勢い再び、という状況のなかでも今日のチケットはソールドアウト。事前の問診票提出に検温、消毒、ディスタンスと感染症に対する予防策もしっかりなされたメモリアルなライブを振り返る。

まもなく開演とのアナウンスがなされると、場内からは「ジュリ扇」をモチーフに厚紙で作られたハリセングッズを使った手拍子の音が鳴り響く。ちなみにこのグッズは入場時、無料で配布されており、ジュリアナの祟りのライブでは必須アイテムとなっている。

ライブでの振り付けやコールのレクチャー映像が流れた後、過去のライブシーン等を交えたオープニング映像が映し出され、いよいよライブスタートだ。

フロアとステージを遮る黒い幕が開くと、すでに江夏、蕪木蓮(Vo.)、矢島銀太郎(Ba.)、翌桧ダンク冬雪(Pf.)、佐川ネル秋吉(Pf.)の5人がスタンバイ。

ライブ1曲目に鳴らされたのは「フタリで、、、」だ。メインボーカルを担う江夏を中心にステージ下手からネル、矢島、江夏、蕪木、ダンクという並びでダンスを披露すると、5人に合わせてフロアも同じ振り付けで踊る。

きらびやかな照明の下、“コマネチ”の振りも入れ込みながらの踊りが映える。


2曲目は「薄紅色の淡い夢の中で~バブルの呪文はAYATRA~」。ネルとダンクによるメンバー紹介が入り、サポートギターのノブ(Gt.)がステージに登場。江夏はドラムセットへと移動し、矢島はベースを構え、バンド編成へとナチュラルに切り替わる。

ノブのギターが唸りをあげ、和装を纏った蕪木の歌声が響き渡る。1曲目とはまったく毛色が異なるバンドサウンド。わずか2曲で早くもふたつの顔を見せるジュリアナの祟りだ。

「新宿BLAZEに来てくれてありがとサンキュー!!」
「今日はみんなで一緒にやり直していけるよなー!」

蕪木の叫びに早くもフロアはヒートアップ。《あやとら》の歌詞にあわせてハリセンを回すなど、観客もメンバーと共にライブを盛り上げていく。

続く曲では、江夏以外のメンバーがフロアに背を向ける。ノブ、矢島の順にピンスポットが降り注ぎ、振り向いて楽器を鳴らし、最後は江夏のピンスポット&ドラムプレイで3曲目「結論」が始まった。


低音で力強い歌声があるからこそ、高音域がより美しく届く蕪木のボーカルが素晴らしい。彼女がステージ上手で歌えば、下手に江夏以外の4人が並んで演奏&フロアを煽る。2サビでは蕪木がステージ下手、他の4人が上手にポジションを入れ替えてのパフォーマンス。迫力のコーラスも交えながら、聴覚と視覚で楽しませてくれる。

90年代前半を彷彿とさせるようなノブのギターリフが口火を切った「夏のyou」。「夏」を題材にしながら、アッパーチューンではなく哀愁漂う歌謡テイストなナンバーだ。

ネルの高い声による強烈な合いの手が響くなか、楽器隊はリズムよく体を揺らしながら演奏を披露すれば、フロアも体を前後に揺らすダンスで応えていた。

曲が終わると、前半最初のMCブロックに突入する。まずはダンクが、5年前のツアーファイナルも新宿BLAZEで、当時は動員目標を達成できず、苦い思い出のある場所だと話す。しかし、このことをきっかけにメンバーとファン(タタラー)との結束も固まり、メジャーデビューへと繋がったワンマンだったと振り返った。

すると江夏が違う視点で、自分にとってBLAZEは思い出の地であると語りだす。今日のライブでサポートに入っているノブは、江夏にとって音楽の師匠にあたる人物であり、BLAZEの対バンとして一緒に出たことがあるとのこと。そのときに自分たちのライブを観たノブが、ジュリアナの祟りを応援していくと言ってくれたそうで、師匠に認めてもらえた思い出の場所なんだと胸が熱くなるようなエピソードを披露する。

一方、ノブは当時のことを、自分たちのほうがジュリアナの祟りよりちょっとだけ観客が多かったこともあり、江夏に対して「お前ドラマーなのに前出てくんなよ」「お前らバンドなんだから楽器置いて踊るんじゃねえ」などとキツイ言葉を放っていたことを告白。

しかし、BLAZEでの対バン時は祟りのほうが動員も多く、その時に「負けた」と思い、つまりは後輩に引導を渡されたのがこのBLAZEという場所なんだと話す。

「そんなところに俺を呼び出して弾いてくださいって、あいつ鬼だよ!」というノブのコメントをうまく繋いで、ネルが「鬼の江夏のバースデーみんなで祝っていけますかー?」と煽り、次の曲「鬼ごっこ」へと展開していく。

不純物を排除したかのような、美しく伸びやかなノブのギターが気持ちいい。体を左右に揺らす可愛らしい振り付けも楽しく、サビのタイミングでスクリーンにはハートが溢れる。

曲後半には「ここから鬼ごっこをするよ」という合図とともに、江夏とノブ以外の4人がステージ上手から下手へと揃って移動するパフォーマンスも。

歌詞のなかでも
《『だったら僕と付き合って』》
《{うーん(゜.゜)}》
《「それはちょっと考えさせて」》
《{なんで?(?_?)}》
《『それなら僕を忘れて』》
《{やだよー(;_;)}》
といった具合に蕪木パートとメンバーの合いの手パートを順番に入れ込むなど、遊び心が至る所に散りばめられているのがジュリアナの祟りのライブ、そして音楽だと感じさせてくれる一曲だ。

続く「だーりん」でもダンクとネルが手でハートを作って踊るシーンや、間奏でダンクがお立ち台に立ってタンバリンを鳴らしながらダンスを披露する場面もあり、エンタテインメント要素満載のステージになっていた。

そのうえで、蕪木が美しいビブラートやファルセットでフロアを酔わせる。たぐいまれな歌唱力を発揮した後にはキュートなダンスで魅せるなど、硬軟のギャップも彼女の魅力のひとつだ。

冒頭、疾走感のある江夏のドラムとキラキラなサウンドにワクワクする「しゅわわ。なシャララ。」。動きの激しい振り付けに観客の熱も上がり、まるでダンスフロアのように盛り上がっていく。PPPHによる合いの手でさらに曲は勢いを増す。

ノブがお立ち台でギターソロを披露すると、他のメンバーはフロアに背を向ける。このフォーメーションがコントラストを生み、ノブのプレイがより鮮やかに浮かび上がっていた。

音をしっかりとらえて丁寧に歌う蕪木の、ボーカリストとしての地力を感じさせる歌唱も見事だ。

曲が終わると、メンバーから極秘企業案件に関するアナウンスが。世界的な企業の新プロジェクトに関する実験オファーが来ているそうで、観客目線でステージを撮影し、その映像を何かに使いたいというプロジェクトとのこと。さっそく最前列中央、そして左右両端の観客にカメラ付きヘルメットが用意された。

ネルの「みんなで実験楽しんでもらっていいですかー!」という煽りから「SAQRA」へ。スクリーンには桜舞う映像が映し出され、歌の世界観を演出。和の音も入ってしっとり感があり、演歌とロックのハイブリッドな一曲だ。蕪木がピンクのセンスで顔を隠して〆るラストも絵になっていた。

曲が終わり、ネルとダンクがステージからはけてパフォーマー抜きとなる4人での演奏で「キミリウム」。蕪木が声量たっぷり、ダイナミックに体を使って歌い上げるミディアムナンバーだ。同期のピアノとノブのギターの重なり具合も絶妙。鳴くようなギターソロも聴きごたえがあった。

前半ラストとなる「New Scene」も引き続き4人での演奏。お立ち台から降り、ステージの端から端へと移動して歌う蕪木は、コロナ禍の制限で声の応酬はできない状況でも、目や表情でフロアと積極的にコミュニケーションを取ろうとしているようだった。

間奏では矢島のベースソロからノブのギターソロへと連なる弦楽器コンビのリレーも飛び出し、バンド編成ならではの見せ場たっぷりなパフォーマンスを盛り込み、BLAZEは冬の寒さを吹き飛ばす熱気に包まれていった。



ちょうど10曲目が終わったタイミングで場内は暗転。ダンクと矢島のふたりが演じるキャラクターによる物販告知映像がスクリーンに映し出されたのち、ノブを除くメンバー5人が、これまでのライブ衣装から、先ほどの物販映像にあった“ARUまみれTシャツ”に着替えてステージに再登場する。

このコーナーでは、以前から実施されていたジュリアナの祟りメンバー募集の進捗状況が共有された。「江夏の言うことが聞ける人」という一点のみが条件のメンバー募集には引き続き応募がきているとのことで、スクリーンにはそんな応募者たちの映像が流れていく。

Vtuber 雛見沢くるみや、お笑いタレントのヒッキー北風に続いて、TVドラマ『池袋ウエストゲートパーク』出演経験もあるラッパーのエンデンジャーが登場。江夏が同ドラマの大ファンということで、スタッフとしてではあるが今回のメンバー募集で初の採用となったことが発表された。

また、MCでダンクが江夏について「歌舞伎町を愛し、歌舞伎町に愛された男」と紹介し、歌舞伎町だけでなく新宿を支配するのでは、と続ける。そこから話は新宿駅前名物となった“飛び出る猫”、さらには「ねこ」繋がりで、江夏がダイブすることで知られる祟りの楽曲「寝子Life」の話題に。

コロナのために実際にダイブはできないが、“飛び出るダイブ”ならいけるのでは?ということで気分だけでも、と断りながら、ライブ前に配布されていた3Dメガネを取り出すよう促す江夏。今回のツアータイトルにもある「ギラギラな江夏の呪いもやり直そうか」にかけて、3Dメガネをカチューシャとして頭にセットし、常夏のバブル気分を味わおうと提案する。


続けてネルが「ギラギラの江夏のバースデー、みんなでバブルを呼び起こして踊っていけますかー?」と煽れば江夏も「全力で夏していけるよなBLAZE!」と叫び、ライブは後半戦へと突入していく。

バンド編成を解き、歌とダンスで観客を魅了する“ハッスルトランスタイム”は、矢島、ネル、ダンク、蕪木、そして江夏とメンバーたちが順番にお立ち台に乗ってのパフォーマンスで魅せる「泡沫の罪な夏」や、パラパラダンスで盛り上がり、運営スタッフまでもノリノリになるほどの激しいトランスナンバー「キラキラ☆hero」でいきなりエンジン全開のスタートを切る。

「キミクロニクル」ではハリセンによる手拍子ともあいまってさらに勢いは加速していく。引き続きのパラパラダンスを交えながら、ステージで跳び跳ねる4人のパフォーマーの躍動とともに、艶っぽさを帯びた江夏のボーカルも輝きを放っていた。

《この僕の名は刻まれましたか?》の歌詞を《お前らの歴史のどこかにこの俺とか祟りの名は刻まれましたか?》とアレンジして歌い、曲をドラマティックに仕立てる江夏。

「愛しのmy☆姫」の冒頭では江夏が観客に対し、手に持っているハリセンを全力で振り回すよう促すと、これに応えてフロアには無数のハリセンが舞う。赤やピンクの照明による演出も加わり、なんとも妖艶な世界が作り出されるなか、ほぼノンストップで踊り続けるパフォーマー4人の活躍からも目が離せない。

縦一列に揃ってのダンスでこれまでの流れに変化をもたらした「パンティーナイト♂」。ここで飛び出したのが、矢島によるおにぎりリベンジ。昨年9月のO-WESTワンマンにてチャレンジ失敗した「25秒以内におにぎり一個完食する」というパフォーマンスだ。Tシャツを脱いでパンツ一枚姿になった矢島が気合の挑戦…をするも、成功ならず。

「失敗するところも矢島くんらしいですね」という江夏のフォローが優しい。

続く「寝子Life」では蕪木がセンターを務めて迫力のボーカルを披露するが、合いの手で入る「にゃんにゃん」との落差が面白い。声が出せない観客は、手をグーの形で前に向け「にゃんにゃん」に合わせてポーズを決める。

スクリーンには江夏が飛び出る映像が出現し、MCブロックで触れていた3Dメガネがここで活躍。様々な小道具を駆使し、観客たちを楽しませるためには労をいとわないジュリアナの祟りらしさが出た演出だ。


本日17曲目は、江夏による高速リリックと蕪木の美声コンビネーションがビタっとハマる「無敵シュプレヒコール~このSを、聴け!~」だ。蕪木の《圧勝です!キミしかいらない》に続く歌詞パート《3.2.1》を囁くように江夏が呟き、《はい堕ちた》と再び蕪木に戻る流れは抜群の色気を放っていた。

本編もいよいよ残り2曲となり、ラストスパート。「紫陽花モードで責めてくれ!」では“うりゃ!おい!”のオタ芸ダンスが繰り広げられる。矢島は江夏と入れ替わりでお立ち台に立ち、酔いしれるように体を揺らす。合いの手が入る際に、ネルは声で、ダンクはボードでフロアを誘導し、観客と共にステージを作り上げていく。チームとしての見事な連携を見せるパフォーマーのふたりだ。

「ラスト一曲盛り上がっていけるよな!?」という蕪木の煽りから本編最後は「リグレット~君を想い返している~」。ノブが再びステージに登場し、江夏はドラムポジションについてバンド編成でのパフォーマンスだ。くるりと体を回転させるなど軽やかなダンスをみせるネルとダンクは、「餅つき!」と叫んで、しゃがんだ矢島の頭を突くように叩く演出で年始の空気を振りまく。

そして堂々センターで歌い上げる蕪木の、まるで錨が降りた船のような安定感抜群の歌声がライブをグッと締めていた。無数の手が上がり熱狂渦巻くフロアは今日のライブの充実度と表しているようだ。

ライブの〆にステージとフロアが一緒になって10回のカウントを数えると、
「ありがとうございました!」
「ジュリアナの祟りでした!」
「バブリー!」
の挨拶を残してメンバーはステージを去っていった。

フロアからはアンコールの手拍子が沸き起こり、しばらくするとスクリーンに映像が投影される。ここで発表されたのは、新しいツアー<July and 夏をやり直そうか!ビヨンド ~第二フライデー襲撃事件!向かえ!殿の故郷~>だ。「ジュリアナの祟り」というバンド名を付けたビートたけしが、若き日に修行を重ねた浅草の舞台を目指すツアーは、フライデー襲撃事件をもじった毎月第二金曜日を中心に開催される。江夏と蕪木が初めて対バンしたという思い出の場所・渋谷GUILTYを皮切りに、新宿MARZや浅草フランス座を経由してファイナルは浅草公会堂でのワンマンとなる。

さらなる告知として、ネルが「本日をもって辞めさせていただきます」と発言する衝撃映像が流れ、息をのむ会場。しかし直後に映し出されたのは「パフォーマーを」の言葉。そして、ネルがパフォーマーからDJに転身することが発表された。

ここでノブも含めたメンバー全員が、Tシャツからライブ衣装に着替えてステージに再登場し、今回の発表についてのトークを繰り広げる。2~3年前からすでにDJとしての活動をしていたネルだったが、そろそろバンドとしてもいけるのでは、ということでDJに転身し、ジュリアナの祟りを盛り上げることになったそうだ。

さっそくステージにDJ台が用意されていた。今後のライブではDJだけでなくVJも含めいろいろ考えているとのこと。また新しい演出手段を手に入れたジュリアナの祟りの今後が楽しみになりそうだ。

パフォーマーがひとり欠けることになり、バランスが悪くなるということでさらに追加発表で、新たなるパフォーマーが加わることも明らかに。新パフォーマーはなんと、研ナオコの娘であるHITOMIだ。さっそく彼女もステージに登場し、7人編成初お披露目。コーラスとしての参加もあるとのことでまたひとつ、楽しみが増えそうだ。


ひとしきりの発表事を終え、いよいよアンコールのパフォーマンスへ。このタイミングでなんと、ノブがぎっくり腰であることが明かされる。

「(アンコールの)セトリ見たけど、今からこいつ(江夏)、俺のこと踊らせようとしてる!」と訴え、ぎっくり腰を表す“魔女の一撃”ならぬ“魔王の一撃”だと非難するノブ。

このコメントを引き取るかたちで、江夏が「魔王の一撃かもしれませんが、僕も一撃を放ってみんなの腰を抜かしていけるように楽しいことをやっていけたらと思うので、これからも僕と一緒に遊んでもらってもいいですか?」と告げると、ナチュラルにアンコール曲の披露へと繋げていく。

ぎっくり腰のノブも参加してのパフォーマンスとなった「あーもー!アモーレ!!~アイツのタタリ~」。江夏、蕪木、矢島、ダンク、新規参入のHITOMIが前列、DJネルとノブが後列に陣取っての、7人でのダンスは実に壮観だ。さらにMCで煽った「一撃」の歌詞に合わせて、金テープが放たれた。

リアレンジされ今回初披露となった、「ギラギラサマーパラダイス」ではさらに激しい動きで踊るメンバーたち。くるくると回転したり、さりげなくコマネチの振りを入れたり。フロアではケチャも巻き起こり、ラストはメンバー全員が横一線に並ぶフォーメーションで魅せる。

センター江夏、その両隣にパフォーマーふたり、その外側に蕪木と矢島というフォーメーションに切り替わっての「バブリー革命~ばんばんバブル~」。曲途中でメインボーカルが江夏から蕪木にチェンジして、底から湧き上がるような力強さと、ポップな可愛らしさを自在に操る歌声が会場中に響き渡る。ジュリアナの祟りを代表する一曲でもあり、フロアの熱量も最高潮に。

HITOMI&ダンク、竿二人組(矢島&ノブ)、ネル、蕪木…と順番にお立ち台で観客を煽る場面や、江夏とダンク、そしてHITOMIによる、機材を使ったスモーク噴射パフォーマンスも飛び出し、カオスと化す新宿BLAZE。


そんな混乱状態のなかで、さらりと江夏がスモーク機材を蕪木に渡してドラムスタンバイ。さらには矢島がベースを、ノブもギターをセッティングし、楽器隊準備完了。

そして江夏からのメッセージが観客に伝えられる。

「大切にしていた場所で、屈辱の結果が前回だったんですが、今回綺麗に塗り替えられました。ありがとうございます! もっともっと国民的バンドになれるよう僕らも全力で頑張っていきますので、みんなでこれからも一緒に進んでいきましょう」

「最後、そんなみんなとの出逢いを唄った曲いきたいと思います。僕が一番好きな曲です」

江夏による紹介と共に披露された、本日正真正銘のラストナンバーは「アクシデント」。バンド編成+DJ&パフォーマーによるこのステージでは蕪木がボーカルを担う。キラキラはしているがバブリーとは少し異なる、少し抑え目の照明が曲に感情を吹き込んでいるようだ。

《突然互いに引き寄せ合った》
《マグネットみたいな僕と君は》
のパートでは、それまでドラムを叩いていた江夏が立ち上がってのパフォーマンスも見せる。

さらに曲のクライマックスで、《灼熱は…》と歌うとすべての音がピタリと止む。そして蕪木の「今日はみんな、やり直しに来てくれてほんとにありがとう!」という絶叫を挟んで歌に戻り《恋のセオリー》と続く。最後を締めくくるにふさわしい劇的な演出が展開し、ツアーファイナルに花を添えた。

全楽曲パフォーマンスが終わり、ラストを飾ったのはネルと江夏によるスピーチだ。

ネルは、自身がジュリアナの祟りに加入したときを振り返りつつ、もっと盛り上げるにはどうしたらいいかを考えていたなかで、DJとして活動してはどうかという提案を受け入れたと話す。そして「気持ち的にはさらにパワーアップしてジュリアナの祟り、令和のバブルを盛り上げていけたら」と改めて気合を入れていた。

江夏は、緊急事態宣言もあって昨年は開催できなかった誕生日ライブについて、感染者も増えてきたなかで、足を運んでくれたことへの感謝を伝える。さらに「全力で国民的バンドになるため進んでいきたいと思うので、みなさんも協力して一緒に祟りを育てていってください」とファンに向けてのメッセージを伝えた。

新体制となって初となるステージからの記念撮影を経て、ノブからの提案で、本日誕生日を迎えた江夏に向けて「Happy Birthday to You」を歌う一幕も。「素敵な誕生日になったね!」などとメンバーが声をかけると、感極まった江夏は思わず涙を流す。涙もろい江夏を泣かそうとするメンバーという構図は、バンドの雰囲気の良さが伝わってくる、そんな名場面でもあった。

「今後も僕らと一緒にがんばっていきましょう」と江夏が告げると、ラストは会場のタタラーと一緒に万歳三唱で〆て、『July and 夏をやり直そうか!FINAL ~ギラギラな江夏の呪いもやり直そうか~』は幕を閉じたのだった。

ジュリアナの祟りのライブには曲ごとに様々な振り付けがあり、観客も一緒になって参加できるスタイルになっている。スクリーンをフルに使い、歌詞も表示させながら映像とあわせて楽しむこともできる。開演前には楽しみ方のレクチャーも行われ、初心者でも安心してライブに参加できる、ホスピタリティ溢れるエンタテインメントショウだ。

新たな7人編成となり、バンドとしての7周年を迎えるジュリアナの祟りの2022年に期待したい。

文◎ほしのん
写真◎佐藤哲郎

セットリスト<July and 夏をやり直そうか!FINAL ~ギラギラな江夏の呪いもやり直そうか~>

2022年1月9日 新宿BLAZE
01.フタリで、、、
02.薄紅色の淡い夢の中で~バブルの呪文はAYATRA~
03.結論
04.夏のyou
05.鬼ごっこ
06.だーりん
07.しゅわわ。なシャララ。
08.SAQRA
09.キミリウム
10.New Scene
11.泡沫の罪な夏
12.キラキラ☆hero
13.キミクロニクル
14.愛しのmy☆姫
15.パンティーナイト♂
16.寝子Life
17.無敵シュプレヒコール~このSを、聴け!~
18.紫陽花モードで責めてくれ!
19.リグレット~君を想い返している~
EN01.あーもー!アモーレ!!~アイツのタタリ~
EN02.ギラギラサマーパラダイス
EN03.バブリー革命~ばんばんバブル~
EN04.アクシデント

ライブ情報

無料ワンマンライブ <July and 夏をやり直そうか!ビヨンド〜第二フライデー襲撃事件!向かえ!殿の故郷Vol.00〜>
2022年2月11日(金祝)渋谷GUILTY
開場17:30 開演18:00
※情勢を鑑みて変更となる可能性がございます

▼チケット
入場無料+ドリンク代別途¥600

▼受付URL
https://t.livepocket.jp/e/0211free
一次抽選1/29(土)23:59までエントリー受付中

▼楽曲情報
『無敵シュプレヒコール~このSを、聴け!~』
作詞作曲:江夏亜祐 編曲:佐藤暢彦/江夏亜祐


この記事をポスト

この記事の関連情報